8月1日に昭和の偉大な作詞家 阿久悠さんが
お亡くなりになった。
ニュースやワイドショーでも大きく取り上げ、阿久悠さんが
残した名曲が次々と紹介されて、改めて素晴らしい
作詞家であることを実感している。
素敵な言葉を紡いだ歌は、ひとつひとつのフレーズが
心の中にしっかりと残っている。
曲もそうだが、私は阿久さんがお書きになる文章が
好きで、代表小説の 「瀬戸内少年野球団」 をはじめ
数々の小説・エッセイ、そして甲子園のシーズンになると
『甲子園の詩』 を読むのを楽しみにしていた。
野球好きの阿久さんならではの視点で、高校球児達を
温かく見つめていた詩を、何度か番組でも
紹介したこともあった。
そんなふうに特別な感情を抱いていたのは、一度取材で
お目にかかったことがあるからだ。
30年近く前 「おはようグッドモーニング」
(うわぁ~ダサイタイトル) という番組を担当していた。
日本や世界の朝の風景や各国の朝食を紹介したり、
著名人の朝ご飯をインタビューする内容だ。
スポンサーはホテルで、ある日そのホテルに阿久悠さんが
お泊まりなので、インタビューするようにと呼ばれたのだ。
強面のお方で (顔で判断してはいけないけど・・・)
ミリオンヒット曲の作詞家としても大活躍中でしたから、
地方放送局の駆け出しアナウンサーの相手をしてくれる
かしら?と、大変緊張しながらのインタビューであった。
阿久さんは物静かに、質問へは一つ一つ丁寧に
お応え下さった。
「スター誕生」 での厳しい審査員はTVで見せる顔で、
多くの新人歌手を世に送り出していた阿久さんは
真摯に若い人達と向き合い、応援していたのでは
ないだろうか。短い取材時間ではあったが、
根底に流れている優しさを感じ、本当に偉い人は
威張ったりしないのだという印象を受けた。
そのインタビューの中で、阿久さんのお気に入りの
朝食を伺うと、ご飯とおみそ汁に漬け物、それにあと一つ
おかずがあれば充分とのこと。
売れっ子作詞家なのに慎ましい食卓で意外!と
思いながら、そのあと一つのおかずは、どんなメニュー
なのか尋ねると、焼き魚や油揚げをさっと焼いたものが
お好きだとおっしゃった。
さっそく家に帰って、油揚げを焼いて食べてみた。
焼き色がついた油揚げは、カリカリで食感は良い感じ
だけど、正直言って感動する程の美味しさではなかった。
でも朝ご飯はどの家も同じメニューが並ぶものなので、
飽きのこない味が好まれるが、この油揚げの
焼いたものは、まさにそれだと思う。
今では我が家の定番おつまみとなっている。
いつでも出せるように冷凍庫には油揚げが入っている。
オーブンでちょっと焼いて、食べやすい大きさに切って
お皿に並べておしまい。わさび醤油か辛子醤油を浸けて
召し上がれ。 時間が経つと湿気てしまうので、
焼きたてを直ぐに食べるのが美味しさの秘訣。
1~2分で出来る簡単メニューだ。
阿久悠さんの教えて下さったメニューが、我が家で
こんなにロングヒットするとは・・・
教えてくれた料理は一つだけど、彼の残した
ヒット曲は沢山ある。
それらの曲をこれからも大切におかけしていきたい。
心より謹んでご冥福をお祈り致します。 合掌。